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黄砂とは

黄砂とは、東アジアや中央アジア内陸部の黄河流域及び砂漠等から風によって砂塵が上空に巻き上がられたものが春という季節に東アジアの広範囲に渡って降り注ぐ自然現象のことで、降り注ぐ砂のことを黄砂というのです。昔から黄砂というものは存在したのですが、ここ近年黄砂の被害が拡大したのは、土地の劣化や森林の減少、砂漠化などの人的影響によるものの関連性も指摘されて、環境問題としても黄砂は問題視されています。黄砂によって黄砂の降り注ぐ地域では農業生産や生活環境に重大な被害を与える可能性があります。黄砂の粒子には造岩鉱物や粘土鉱物などが含まれているのですが、黄砂の移動途中で人為的に発生した大気汚染物質などを取り込んでいる可能性もあると言われています。つまり、交通などの障害になりうる視界への影響などにも増して、人間に与える健康被害というものが危惧されているのです。黄砂の発生量は年間2億〜3億tと言われており、日本での降下量は1年間1平方キロメートルで1〜5t、北京で15t程度と推定されています。しかし、その量は天候にも左右されるのです。

黄砂とアレルギー、花粉症

春先は花粉症で苦しんでいる人も多いのではないでしょうか。また花粉症とはスギ花粉だけではありません。年中なんらかの花粉やアレルギー、ハウスダストなど数々あるアレルギー症状を持っている人にとっては悲しいことに、黄砂の影響で花粉症が悪化するのだそうです。黄砂が舞い散る時期は車や家の窓の汚れ具合、空の曇りや視界を遮る状態から見てもホコリが大量に振ってくるようなものです。アレルギーを持っている人にとってはホコリは最大の敵であり、黄砂は加えて、大気汚染物質も含んでいるといいます。また、舞っている花粉を黄砂が吸収して運んでくるのではないかとも言われています。それでなくても花粉の舞い散る春に黄砂は激しく飛来してきます。マウス実験では、黄砂を入れた状態の気管支の炎症はかなり強かったのだそうです。また日本に飛来する黄砂は韓国の黄砂と比べて細かいため、微量でも吸い込んでしまうと花粉症や喘息を悪化する可能性があるというのです。春は、花粉情報だけでなく、黄砂情報もチェックしないといけないのです。

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黄砂による健康被害

黄砂の被害は、飛来してくるだけでも多大なものがあります。黄砂は通常2月から増加し始め、4月にピークを迎えます。しかし、2000年以降はその量も年々増えています。中国においては、1993年に砂塵による影響で死者85人を記録しました。広範囲な農作物の被害を受け、12万頭近くの家畜が死亡若しくは行方不明となりました。韓国においては黄砂の影響で皮膚や目、もしくは呼吸器への障害を訴える人々が増えたそうです。日本においての黄砂による直接の健康被害というのはまだ確認されていないのですが、マウスによる黄砂の影響を実験したところ、肺気道炎症が悪化し、肺胞炎、水腫などが観察されました。最近では、花粉情報のほか黄砂情報も配信されるようになりました。黄砂の飛来状況を確認できるサイトを環境省が提供してくれています。黄砂の問題は、国境をまたいでいるということもあり、国単独で取り組むことはできないため、関係する各国の協力が必要になってきます。今後黄砂対策に向けた取り組みを早急に進められることに期待したいですね。

Copyright © 2008 黄砂が引き起こす健康と生活への影響